成年後見人の任務が終了したとき、特に成年被後見人が死亡した場合にどのような手続きをとる必要があるのかを解説します。

成年後見人の任務が終了となる事由と、その際の手続きについて解説していきます。

りか

弁護士が成年後見人となっている場合には、成年被後見人の方の死亡をもって任務終了となる場合がほとんどだと思います。今回は、特にその際の手続きについてご説明します。

目次

成年後見人の任務が終了するとき

成年後見人の任務は、主に以下の事由に該当した場合に終了します。

  • 成年被後見人(以下、本人といいます)が死亡したとき
  • 成年後見人が死亡したとき
  • 成年後見人が辞任したとき
  • 成年後見人が解任されたとき
  • 成年後見人が欠格者となったとき
  • 本人の判断能力が回復し、成年後見開始の取消しの審判がなされたとき

本人が死亡したとき

本人が死亡したときは、当然に成年後見手続は終了となります。

りか

この場合にすべきことを、この記事の後半で詳しく解説しています。

成年後見人が死亡したとき

成年後見人が死亡したときは、本人のために、新たに成年後見人を選任しなければなりません(民法第843条)。

選任申立てができるのは、本人およびその利害関係人ですが、成年後見監督人は、専任申立ての義務を負います(民法第851条2項)。

また、裁判所が職権によって新たな成年後見人を選任することも出来ます。

成年後見人が辞任したとき

成年後見人は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て辞任することができます(民法第844条)。

正当な事由とは、例として、以下の5つの場合が考えられます。

1.後見人が職業上の理由から、本人と遠隔の地に住むため後見事務に支障がある場合

2.自己よりも適格性を有する者がいる場合

3.後見人が既に長期にわたって職務を行い、今後その継続を強いるのが過酷な場合

4.老齢、疾病、負担過重などにより後見事務の適切な遂行上支障がある場合

5.その他、本人やその親族との間に不和が生じている場合

引用元:新版注釈民法(25)332頁

しかしながら、なによりも、本人の利益と権利の擁護が優先されますので、法律の専門家である弁護士が成年後見人である場合は、1、2、5が正当事由だと認められる可能性は低いと思われます。

なお、辞任の申立てを行う際には、同時に新たな成年後見人選任の申立を行わなければなりませんが、選任申立がなされない場合は、裁判所が職権で新しい成年後見人を選任することになります(民法第843条2項)。

辞任を許可する審判、辞任申立を却下する審判に対しては、不服申立は認められていません。

成年後見人が解任されたとき

成年後見人に不正な行為、著しい不行跡その他成年後見の任務に適しない事由があるときは、家庭裁判所は、成年後見監督人、本人若しくはその親族若しくは検察官の請求により又は職権で、これを解任することができます(民法第846条)。

具体例としては、成年後見人が、本人の財産を横領したり、私的に流用した場合などが挙げられます。

成年後見人弁護士が本人の財産を横領する事件が起こっていますよね。
とっても悲しいですし、憤りも覚えます。

りか

到底許し難い事件ですよね。
不正を行わないのは当然として、ずさんな管理にならないよう、普段からこまめにチェックしていきましょう。

成年後見人が欠格者となったとき

民法第847条において、成年後見人になることができない者についての定めがあります。

  • 未成年者
  • 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、補佐人または補助人
  • 破産者(復権していない者)
  • 本人に対して訴訟をしている者や訴訟をしたことのある者、これらの者配偶者や直系の血族
  • 行方不明者

成年後見人就任後に、上記事項に該当する状態になった場合は、新たな成年後見人が選任されることになります。

本人の能力が回復し、成年後見開始の取消しの審判がなされたとき

本人の判断能力が回復し、成年後見開始の原因が止んだときは、申立てにより、または、ほかの類型の開始審判(補佐・補助)がなされた場合は職権で、成年後見開始審判は取り消されることになります(民法第10条)。

そして、成年後見人の任務も終了することになります。

本人の死亡による成年後見終了手続きの手順

成年後見人終了手続きは、以下の手順で進めていきます。

各STEPのタイトルをクリックすると、詳しい説明にジャンプます!

STEP

本人の死亡については、成年後見人には、近親者からの連絡で知らされることが多いと思います。連絡をいただいたら、葬儀が終わって落ち着かれてから、事務所までお越しいただくようにお願いをします。

STEP

裁判所に、本人の死亡について報告し、前回の定例報告から死亡までの報告書を提出します。

同時に、報酬付与の申立ても行いましょう。

報告書は、本人の死亡から2週間以内に提出します。

STEP

報酬の審判が下りたら、本人の口座から引き出して、報酬をいただきます。

そのほかに、葬儀代や病院・施設などの費用について清算します。

そして、本人死亡時以降の収支報告書を作成します。

STEP

後見人報酬や弁済期到来後の債務を清算した後、積極財産が残った場合は、相続人等へ財産の引き継ぎを行います。

STEP

裁判所に、成年後見人任務終了の報告を行います。

この報告書は、本人の死亡から2ヵ月以内に提出します。

STEP

東京法務局に成年後見登記の抹消登記申請を行います。

近親者との打ち合わせ

本人の近親者などより、死亡診断書の写しと死亡の記載がある戸籍謄本を提出してもらいます。

あわせて、近親者が葬儀代の支払いや病院・施設への清算など、本人に関する費用の支出を行なった場合は、領収証を提出してもらいます。

本人の死亡届は誰が行うのでしょうか?

親族が行います。死亡の届出は、届出義務者が、死亡の事実を知った日から7日以内にしなければならない(戸籍法86条)とされており、届出義務者は、親族、同居者、家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人とされています(戸籍法87条)。ただし、本人に身寄りがないなど、届出義務者が存在しない場合は、成年後見人が届出をすることもできます。

※ なお、本人の相続人ではない成年後見人(保佐人・補助人を除く。)が、本人の遺体の火葬又は埋葬(土葬)に関する契約の締結をするには、裁判所の許可が必要です。

裁判所に死亡報告書と報酬付与の申立書を提出

裁判所へ、本人の死亡について報告し、あわせて、任務終了時までの後見報酬付与の申立てを行います。

この報告は、本人の死亡から2週間以内に行います。事務報告書や財産目録の作成に時間を要する場合は、先に本人が死亡したことのみを報告しましょう(連絡票に、本人が死亡したことを記載し、死亡診断書または戸籍(除籍)謄本を添付します。)。

裁判所に提出する書類

  • 後見事務報告書
    • 前回の定例報告から本人死亡時までのもの。
  • 収支報告書
    • 前回の定例報告時から本人死亡日までの期間のもの。
    • 収入または支出に大きな変化がない場合は不要です。
  • 財産目録
    • 本人の死亡時を基準としたものを作成します。
  • 財産目録の裏付けとなる預貯金の通帳の写し等の資料
  • 本人死亡の記載がある戸籍謄本または死亡診断書
  • 報酬付与の申立書及び事情説明書
    • 報酬付与申立の手数料として、収入印紙800円を添付します。
    • 審判謄本を郵送で受け取る場合は、宛先を記入して84円切手を貼付した封筒も貼付します。

※ 上記の書式は、大阪家庭裁判所のサイトからダウンロード可能です。(報酬付与の申立書及び事情説明書はこちら

この時に作成する報告書や財産目録は、基準時を死亡時点とします。死亡時の前後で後見人等の権限が大きく異なることから、死亡時点における本人の財産状況を把握する必要があるためです。特に、現金がある場合は、死亡時点の金額について把握して記載することを注意しましょう、

後見人報酬・弁済期到来後の債務を清算し、死亡時以降の収支報告書等を作成

成年後見人名義の口座から成年後見人報酬を引き出し、近親者が葬儀費用等を立て替えていた場合は、その近親者へ支払いをします。そのほか、病院や入居施設などの最終清算がある場合は、それらも全て清算をします。

そして、死亡時以降の収支報告書と、財産目録を作成します。

※書式はこちら(大阪家庭裁判所のサイト)

収支報告書については、本人死亡後は原則として財産の変動が予定されていないことから、本人死亡時から相続人等への引継時までの全収支を記載して、裏付け資料(領収証など)も全て保管しておきます。

なお、費用等を引き出せなくなるため、この時点では、銀行への死亡届出は行いません。銀行への死亡届出や、銀行口座の解約手続きは、相続人に引き継いだ後で、相続人が行います。

本人の死亡後に、口座から出金をして成年後見人の報酬や葬儀費用等の支払をしてもいいのでしょうか?

結論から言うと、許されると解するべきです。

本人の死亡により成年後見人の任務は終了となるため、死亡と同時に本人の財産は相続人に帰属することから、本人死亡後は、成年後見人は本人の財産の管理権を喪失し、したがって口座から出金をすることはできないのではないかということが問題となります。

しかし、成年後見人の死後の事務については、民法第873条の2において、「成年被後見人が死亡した場合に必要があるときは、成年被後見人の相続人の意思に反することが明らかなときを除き、相続人が相続財産を管理することができるに至るまで、①相続財産に属する特定の財産の保存に必要な行為、②相続財産に属する債務(弁済期が到来しているものに限る。)の弁済、③その死体の火葬 又は 埋葬に関する契約の締結その他相続財産の保存に必要な行為(前2号に掲げる行為を除く。)の行為をすることができる。 ただし、 第3号に掲げる行為をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。」と規定されています。

つまり、成年被後見人の死後の事務について、特定の財産の保存に必要な行為と、弁済期が到来している相続債務の弁済について、裁判所の許可は不要です。東京家庭裁判所後見センターの見解も同様です。

Q 本人の死亡直前の療養費が未払いですが,相続人に引き継ぐ前に後見人が支払った方がいいのでしょうか。

A 相続財産を整理・清算し,相続人へ相続財産を引き渡すまでの相当と認められる期間内に,後見人が応急の必要があると判断する場合,後見終了時の応急処分義務(民法874条,654条)を根拠に支払うことができます(成年後見人については,民法873条の2に債務の弁済に関する権限が明記されています。)。

引用元:東京家庭裁判所後見センター よくある質問 Q168
りか

実際、当事務所において、これまでにこの対応で問題になったことはありませんが、心配な場合は事前に家庭裁判所に問い合わせましょう。

裁判所の許可が必要とされる行為は以下のとおりです(民法873条の2)。

  • 本人の相続人ではない成年後見人(保佐人・補助人を除く。)が、本人の遺体の火葬又は埋葬(土葬)に関する契約を締結するとき
  • 債務弁済のための本人名義の預貯金の払い戻し(振込により払い戻す場合を含む。)
  • 本人が入居施設に残置した動産等に関する寄託契約の締結
  • 電気・ガス・水道の供給契約の解約など

※出典:東京家庭裁判所 申立書の記載例はこちら

なお、仮に、本人の財産が乏しく、負債が残るような場合は、負債の清算をせずに相続人に引き継ぎます。この場合は、負債があることを相続人に通知し、相続放棄をするかどうかの確認を取ることになります。

本人の相続人等への引き継ぎ

後見人報酬や弁済期到来後の債務を清算した後、積極財産が残った場合は、相続人等へ財産の引き渡しを行います。

相続人がひとりである場合は、その人に全部を引き渡すだけでよいのですが、相続人が多数の場合はどうすればいいでしょうか。

相続人多数の場合は、相続人間で遺産分割協議をしたうえで、それに従って引き渡すというのが最善の方法です。

しかし、相続人間で争いがある場合は、遺産分割協議に時間を要しますので、相続財産の受け取りに関する代表者を決めてもらい、その代表者に引き渡します。

この場合は、相続財産の受領者を定める旨の合意書を作成し、全員に署名と実印での押印をしてもらったうえで、印鑑証明書も提出してもらいます。そして、代表者には、裁判所に提出する引継書(相続財産の受領書)にも署名捺印をもらいます。

相続人間で争いがある場合は、遺産分割調停などを経て各相続人に分配されることになりますが、時に、遺産を巡る係争について、相続人から、成年後見人であった弁護士に代理人になって欲しいと言われる場合があります。しかし、成年後見人であった以上、弁護士は遺産分割に関与することはできませんので、代理人になることもできません。

一方で、成年後見人からそれぞれに法定相続に基づいて分割して引き渡してほしいという相続人全員一致の要望を受け、なおかつ、本人の財産が現金預貯金のみである場合は、成年後見人が全員の委任を受けて銀行口座を解約し、各相続人へ遺産の引き渡しを行うことも考えられます。この場合の手続きはこの記事の後半で詳しく説明しています。

裁判所へ終了報告書を提出

裁判所に最終の報告を行います。提出する書類は基本的には以下のとおりですが、管轄裁判所によっては多少異なる場合がありますので、提出書類について必ずご確認下さい。

そして、これらの報告書等の提出をもって、成年後見業務を完全に遂行して終了したことになりますが、終了に際して、裁判所から終了の審判書などは出されません。また、報告書に問題がなければ、裁判所からの連絡も特にありません。

後見任務終了に際して裁判所に提出する書類

  • 終了報告書
  • 引継書
    • 相続財産の受領者に署名捺印してもらいます。
  • 収支報告書
    • 本人死亡時から相続人等への引継時までのもの。
  • 本人死亡時以降の支出を裏付ける資料の写し
    • 資料が多数ある場合は、5万円以上のものだけで大丈夫です。
  • 財産目録
    • 本人死亡時から相続人等への引継時までのもの。
  • 財産目録の裏付けとなる預貯金の通帳の写し等の資料

※出典:最高裁判所

この報告は、本人の死亡から2ヶ月以内に行わなければなりません(民法第870条)。

りか

何らかの事情により、2ヵ月以上の期間が必要な場合は、家庭裁判所に対して期間伸長の申立をしましょう。
なお、参考までに期間伸長の申立書を作成してみましたが、私にはこの申立の経験がありませんので、「申立の事情」欄については弁護士にご相談ください。

計算報告書提出期間伸長の申立書

成年後見人 計算報告書提出期間伸長の申立書
1頁
成年後見人 計算報告書提出期間伸長の申立書
2頁
  • 申立ての手数料として、収入印紙800円を添付します。
  • 審判謄本を郵送で受け取る場合は、宛先を記入して84円切手を貼付した封筒も貼付します。

成年後見人登記の抹消

裁判所に最終の報告書を提出した後、問題がなければ、成年後見人としての業務は全て終了になりますので、東京法務局に、成年後見人登記の抹消登記申請を行います。

成年後見人選任の際には、裁判所が登記の嘱託を行いましたが、終了登記には裁判所は関与しませんので、成年後見人自身が抹消登記手続きを行わないかぎり、後見登記は抹消されません。

抹消登記申請は東京法務局のみの取り扱いです。遠方の場合は郵送にて申請をします。

なお、抹消登記が完了しても、東京法務局から特にその旨の連絡はありません。抹消登記を確認する場合は、閉鎖登記事項証明書の交付を申請します。

抹消登記手続きをしてしまうと、当然ながら成年後見人登記事項証明書を取得することはできなくなりますので、成年後見人としての業務を完全に終わらせてから抹消登記申請をしましょう。

具体的にどのタイミングで抹消登記申請をすればいいのでしょうか?

りか

裁判所に最終の報告書を提出してから、(裁判所からの連絡がないまま)2週間程度経過した時にするのがいいと思います。
心配があるようでしたら、抹消登記手続きをしても大丈夫どうか家庭裁判所に問い合わせをしましょう。

申請書書式および記載例

※出典:東京法務局

申請書に添付する書類等

  • 死亡の事実が記載されている戸籍(除籍)の謄抄本または死亡診断書
  • 手数料は不要です。
  • 申請から登記完了までには概ね10日程度要します。
  • 東京法務局に郵送で申請する場合の送付先
    • 〒102-8226 東京都千代田区九段南1-1-15 九段第2合同庁舎 東京法務局民事行政部後見登録課  
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遺産分割手続を行う場合

本人の相続人が複数人存在する場合、成年後見人からそれぞれに法定相続に基づいて分配してほしいという要望が出ることがあります。

りか

成年被後見人の財産が現金・預貯金のみの場合、稀にこのようなケースがあります。

必ず、相続人全員の同意を得る必要があります。

遺産分割手続きの手順

前項「成年後見人終了手続きの手順」の中の、STEP4「相続人への引き継ぎ」を以下の手順で行います。

STEP
遺産分割協議書の作成    

弁護士が、相続人の意見をまとめて遺産分割協議書を作成します。

協議書には、遺産目録および相続関係図も一緒に綴ります。

遺産目録

成年被後見人の口座がある銀行で、相続手続依頼書一式を貰ってきましょう。

必要書類や、手続依頼書の書き方などが丁寧に説明されています。

その際に、特に注意をする点や必要となる書類があるのか、弁護士ではなくパラリーガルが手続きに出向く場合に委任状が必要かなど、気になることは遠慮せずに質問をして疑問を解消しておきましょう。

※口座を開設した支店ではなくても、最寄りの支店で大丈夫です。

りか

早めに入手して、必要書類を確認してから準備を進めましょう。

STEP
協議書へ捺印、委任状を取得  

遺産分割協議書が出来上がったら、相続人全員に来所してもらいます。

なお、こちらが今回の遺産分割モデルケースの設定です。

  • 遺産:預貯金合計19,401,161円
  • 葬儀代:505,000円(配偶者が立て替えている)
  • 相続人:配偶者および本人の父親の2名
  • 遺産分割の方法:遺産から葬儀代505,000円を差し引いた18,904,161円について、法定相続どおり、配偶者が3分の2、父親が3分の1を相続する。さらに、配偶者は立て替えていた葬儀代505,000円の返還を受ける。

実印と印鑑証明書(相続人数分)、それから振込先の銀行口座メモを忘れずに持ってきてもらいましょう。

そして、遺産分割協議書と委任状に署名・押印をしてもらいます。

さらに、振り込み依頼書への記入と、家庭裁判所に提出する引継書への署名・押印をしてもらいます。

銀行相続手続委任状

銀行相続手続委任状

振込依頼書

本人の父親に記入してもらう振込依頼書です。
本人の配偶者に記入してもらう振込依頼書です。
  • この振込依頼書は、弁護士と各相続人の間で交わすものですので、認印で大丈夫です。
  • 振込依頼書に署名をもらう段階では、最終的な振込金額は分かりません(解約までの預金利息がつくため)ので、振込金額を明記することは避けます。
STEP
銀行での手続き  

基本的には、口座開設支店でなくとも最寄りの支店でも大丈夫です。(その場合は取り次ぎになりますので、通常よりも少し時間がかかります。)

以下、基本となる書類と手続請求書の記載例を掲載しますが、銀行により、細かい部分が異なる場合がありますので、必ず事前に確認をしてから出向くようにしましょう。

銀行に持参する書類

  • 相続手続依頼書(銀行所定の書式)
  • 遺産分割協議書原本(相続人から1通お借りします。)
  • 委任状
  • 成年被後見人の通帳および証書
  • 成年被後見人の出生から死亡までの戸籍等謄本
  • 相続人の戸籍謄本
  • 相続人の印鑑登録証明書(交付から3ヶ月以内のもの)
  • 成年後見人登記事項証明書(交付から3ヶ月以内のもの)
  • 職印の証明書(所属弁護士会発行のもの)
  • 手続きに出向くパラリーガルの運転免許証・事務員証
  • 弁護士の免許証原本(必須ではありませんが、銀行によっては求められることがあります。事前に確認しましょう。)

※ 弁護士→パラリーガルへの委任状が必要になる場合があります。

相続手続依頼書記載例

出典:静清信用金庫
  • 基本的には、委任を受けた代理人弁護士についてのみ記載します。
  • 銀行によっては、相続人全員の自筆による署名押印が必要とされる場合があります。
  • 用紙への記入は、弁護士本人ではなくても大丈夫です。

※ 銀行によってルールが異なりますので、必ず事前に確認をしましょう。

STEP
各相続人へ振り込みをする。   

手続きから10日前後で、事務所の預かり金口座に入金があります。

さらに、銀行から、「手続き完了のお知らせ」等が郵送で届きます。そのお知らせには、通帳の原本(解約済)や振込受付書、計算書等が同封されています。

それらの確認ができたら、各相続人へ取り決めたとおりの振り込みを行います。

各相続人への振込金額は十分に気を付けて記入しましょう

死亡時から解約までの利息が加算されますので、その利息額を、各相続人に対して、相続分で按分して加算します。さらに、振込手数料を差し引いて振り込みを行う場合は、その金額を差し引きます。

STEP
各相続人へ清算書類写し等を渡す。  

STEP4のとおり、通常、本人死亡時から解約までの利息がついたり、振り込み手数料を差し引くなどして、各相続人が実際に受け取る金額は、遺産分割協議書の金額とは異なります。

簡単なもので構いませんので、振込金額の明細書を作成してそれぞれにお渡ししましょう。

各相続人にお渡しする書類

  • 本人の解約済み通帳
    • 相続人のうち、おひとりに原本を、その他の方には写しをお渡しします。
  • 銀行発行の最終計算書写し
  • 振込金額明細書
  • 死亡後に支出したものについての疎明資料
    • 審判(後見人報酬)写し
    • 病院などへの清算書類写し
  • 戸籍謄本等写し

※相続税の申告などの際に必要になりますので、各相続人に同じものをお渡ししましょう。

振込金額明細書

振込金額明細書(遺産分割)

ここまでの手続きが済んだら、「成年後見人終了手続きの手順」に戻り、「裁判所への報告」と「成年後見人登記の抹消」の手続きを経て終了します。

おわりに 

以上、成年後見人の任務が終了となる事由と、その際の手続きについて解説しました。

これまで、長きにわたって誠実に後見事務を遂行してきた皆様、本当におつかれさまでした。

りか

今日も笑顔でがんばりましょう!

      

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